元店員が暴露するパチンコ店「釘調整」の実態

2019年12月22日|パチンコ・パチスロ

大好評「元店員が暴露するパチンコ店の実態」シリーズ3本目の記事となります。

第1弾

元店員が暴露するパチンコ「遠隔」の実態

第2弾

元店員が暴露するパチンコ店「顔認証」の実態

 

さて今回のお題は「釘調整」です。

パチンコ・パチスロ、特に「パチンコ」を打たれる方は意味は良く分からずとも耳にする機会はあるのではないでしょうか。

パチンコの釘調整は一種の都市伝説(ネタ的な意味合いだと思いますが)としても話されることもあるようです。

この記事では主に

・パチンコ店による釘調整は実際に行われているのか

・釘調整とはどのようなものなのか

・釘調整って法律違反じゃないの?

・釘調整のメリットとデメリット

この辺りを実際にパチンコ店に勤めていた経験のある私がお話しさせて頂こうかと思います。

実際のところパチンコの釘調整って行われてるの?

100%行われています。

少なくとも私が勤めていた全てのパチンコ店では行われていました。

ただし、個室で行う・仕切りを使う・カーテンを使うなどをして一般従業員(アルバイトなど)には建前上目に見えない形で行われていました。(しかし釘調整をしているというのはまる分かりです。)

釘調整を行うのは店長やマネージャークラス、もしくはベテラン正社員のみです。

また、多くの場合は正社員以外は帰るような深夜から朝方にかけて行われます。

これは予想になりますが、何故釘調整をそのようにヒソヒソと行うのかというと

「建前上、一般従業員は”知らない・分からない”という状況を作るため」

「一般従業員による不正行為を防ぐため(釘を甘くして友人に打たせる・釘の情報を横流しする等)」

これらの理由が考えられます。

釘調整ってなんなの?

まず大前提として釘調整というのはパチンコ台で行われる行為です。パチスロでは釘調整は行われません。

同じ機種なのに

「なんかこの台は良く回る(スタートに玉が入る)なぁ」

「なんだこの台全然回らない(スタートに玉が入らない)じゃねーか!」

全く同じ機種、全く同じスペックなのに台によって回ったり回らなかったり。これ全部パチンコ店の釘調整が原因です。(異常な打ち方を除く)

パチンコを打たれる方ならご存じだと思いますが、パチンコ台の盤面には無数の釘がついています。

これらの釘を小さなハンマーやパチンコ玉を模倣した専用の道具を使って調整を行います。

では何故その様な事を行うのでしょうか。

建前上は「修理・修復の為」

です。

事実としてパチンコの釘は何万発・何十万発・何百万発というパチンコの玉にカツカツと当てられ続けるのでどうしても多少なりとも曲がってしまったり、最悪の場合、自然と折れてしまう事も少なくありません。

そういった釘を元の状態(真っ直ぐ?)に戻すという目的の元に行われる。行われるべきものです。

しかしそれはあくまでも”建前上”の話であり本当のところは違います。

(中には本当に修理・修復の為にのみ釘調整を行うパチンコ店もあるかもしれません)

本当の理由は「出玉性能の調整の為」です。

2019年12月現在では”設定付きパチンコ”の登場により、釘以外の面でもパチンコの出玉性能を調整する事は可能になりましたが、以前はパチンコの出玉性能の調整をしようと思ったら釘をいじる他ありませんでした。(傾斜などの調整もありますが、ここでは題材と外れるので省きます。)

なのでハンマー等を用いて釘を調整する事でパチンコ台の出玉性能の調整を行います。

もちろん、甘くするも辛くするも自由自在です。

特に分かりやすいのはスタートチェッカー(入るとスタートする部分)の上部左右に存在する”ヘソ釘”と呼ばれる部分の調整です。

例えばこの画像の2つの同じ機種のヘソ釘の画像。明らかに下の方が大きく開いています。

回収(辛く)したければ上のようにヘソ釘を閉め、甘くしたければ下のようにヘソ釘を開ける。

ヘソ釘が大きく空いていれば空いている程、スタートに玉が入りやすくなり、良く回るようになります。

ヘソ釘の調整は非常に単純でオーソドックスな釘調整ですが、逆に言えばプレイヤー側の注目度も高い為、非常に多くのパチンコ店で実施されており、イベント日なんかはガバガバになっている時なんかもあります。

(これは余談になりますが、パチンコ台にはもちろんヘソ釘以外にも多くの釘調整をする箇所があり(玉道・風車・ジャンプなどなど)、ヘソは分かりやすく甘く調整しておいて他を辛く調整するなんてイヤラシイ釘を使うパチンコ店もあります。逆にヘソ釘しか調整しないパチンコ店なんかも存在します。ヘソ釘だけであれば初心者でもなんとなく見れたりしますが、全ての釘調整を見抜いて台を選定するのは非常に難易度が高く、素人目にはまず不可能です。)

パチンコ台は出荷時の時点では全ての釘が真っ直ぐ立っています。この無調整の状態では基本的に店側が少し有利くらいな物が殆どです。

パチンコ店の思想はそれぞれですが、

「通常営業の時はしっかり回収したい!」

「イベント日はガッツリ還元したい!」

「この機種はもっとマイルドに遊んでもらいたい!」

「この機種は釘きつくても座ってくれるからもっと辛くしたい!」

などのパチンコ店の願望を叶える為に釘調整は行われるのです。

パチンコの釘調整は違法だって聞いたけど?

はい、その通りです。パチンコの釘調整は違法です。

では何故、全国のパチンコ店は何食わぬ顔でパチンコ台の釘調整を行っているのでしょうか。

ここで先ほども出てきた「建前」が効いてきます。

>>建前上は「修理・修復の為」

本来、曲がってしまった釘はむしろ真っ直ぐ戻さなければなりません。

ただし、「釘の調整は盤面に対して概ね垂直であること」とされています。

”概ね垂直”こんな基準は人によってそれぞれであり何の指標にもなりません。曲がった釘を見せて店長に聞いても「垂直です」と言われてしまえばそれで終わりです。

なのでパチンコ店は実質やりたい放題出来てしまっているという事です。

釘確認シートについて

あまりにもパチンコ店が好き放題釘を曲げまくった(本来玉が通るはずの所が全く通らなかったり等)結果、釘確認シートというものが導入されました。

盤面に当てるだけで釘の曲がり具合を瞬時に判別出来てしまうという優れものです。

しかしそれも使用される機会は殆ど無く、使われるにしても基本的には新台入れ替え時の検査のみ。

この釘確認シートの登場によって多少パチンコ店の釘調整が緩くなり、露骨な「玉が一切通らない」などの釘調整はほぼ無くなりましたが、根本的な解決にはなりませんでした。

封入式パチンコについて

これまで釘調整に関する話をしてきましたが、2021年これらの問題は解決する可能性があります。

それが封入式パチンコの導入です。

封入式パチンコではパチンコ店の人間が盤面を開けることは出来ず、釘の調整を行うことが出来ません。

封入式パチンコについては別の記事にまとめたので興味のある方はどうぞ

【パチンコ】2021年までにECO遊技機(封入式パチンコ)へ移行

釘調整におけるプレイヤー側のメリットとデメリット

これまでお話した通り、パチンコにおける釘調整はプレイヤーにとってデメリットばかりではありません。

一般的には釘を悪く調整する事が殆どではありますが、イベント日などは釘を良く調整する事もあります。

しかしながら、一般のパチンコ打ちがその所謂「良釘」にあやかれるかどうかはまた別の話です。

簡単な釘読みが出来る事は大前提。しっかりそのメリットにあやかろうと思ったらしっかりとした釘読みが必要です。そしてそのしっかりとした釘読みというのは勉強と経験が必須。殆どのパチンカーにとっては難しいものであり、たまにある良釘の良台というのは殆どの場合、「プロ」や「軍団」に占拠されてしまいます。

パチプロからすれば当然、釘を調整してもらわねば成り立ちません。彼らは良い釘の調整をされたパチンコ台に座って1日中回し続けるのが仕事です。釘の良し悪しが読めるので、釘の悪い調整の台がいくらあっても座らないので関係ありません。つまりパチプロにとっては釘調整のメリットが大きいです。

逆に一般的なパチンカーは殆どの場合、釘の良し悪しが読めません。ホールには釘の悪い調整の台の割合の方が圧倒的に多いので、多くの場合は悪い釘調整の台に座る事になるでしょう。つまり一般的なパチンカーにとっては釘調整というのはデメリットの大きいものとなります。

パチンコ店「釘調整」の実態まとめ

以上が私が知りうる限りのパチンコ店における「釘調整」の実態です。

パチンコ店における釘調整は違法ではあるものの、100%存在し、殆どの場合我々プレイヤーが不利になり、デメリットをもたらします。

2021年、ECO遊技機(封入式パチンコ)の登場によりパチンコ店の釘調整は無くなると思われますが、その後衰退の一途を辿るパチンコ業界がどうなっていくのか。先はまだ見えません。

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